WiiSprayが面白い

動画:Wiiリモコン&Flashでバーチャルグラフィティを描くWiiSpray.

上記で紹介されているのは「WiiSpray」というバウハウス大学の学生による修士論文プロジェクト。
「WiiSpray」がどんなプロジェクトかは口で説明するより動画をみてもらった方がいい。


WiiSpray Teaser from Martin Lihs on Vimeo.

このようにWiiのコントローラーをスプレー缶にみたて画面に絵を描いていくというもの。
ペイント系ソフトのエアブラシのマウスポインタが外に飛び出て実体化したもの、といえばいいだろうか。

実体験としてはなじみのある「スプレーによる落書き」がスクリーンとデジタルデバイスによって半ば現実化していることがこの作品の「面白さ」をつくりだしている。

実体験におけるインターフェイスはそのままで表現部分がデジタル化されているわけだが何故これを面白いと感じるのかは考察しておくべきだろう。

一つ目は「わかりやすさ」。
記憶の中にあるスプレーによる落書き体験がデジタルデバイスによってリコールされ、インターフェイスへの違和感が緩和される。さっきも書いたけれどペイントのUIが実体験とシームレスになってるところが面白さの肝である。

二つめは「Wiiコントローラー」。
本来はゲーム機用のデバイスとしてつくられたWiiのコントローラーを三次元空間からのインプットデバイスにしてしまっているところが面白い。この種のインプットデバイスはこれまでもいくつかでていたけれど、Wiiコントローラーというなじみ深いデバイスを利用することで作品との心理的距離がグっと縮まる。

Wiiコントローラーについては「プロモーション」的な要素が強くなってしまうけれど上手な使い方だ。
今後もこの作品のように「なじみのあるデバイス」(デジタルデバイスに限らず)を全く別の目的に利用した作品が増えていくのだろう。