The facebook effect(邦題:フェースブック 若き天才の野望)読了 「ザ・サーチ」を読んで以来の良書、緻密な記述と深い考察のバランスが素晴らしい

いやはやまさか読了までにこんなに時間がかかるとは思わなかった。
それだけ内容が深く、濃いということである。

素晴らしい著作である。
これほどの本を出せる米国の懐の深さには恐れ入る。

僕は最初、原書の方を読んでいた。
しかし、忙しさにかまけてズルズルと読んでいたら、読み終わる前に翻訳本が出てしまったので途中からは翻訳版を読んだ。(翻訳も素晴らしい出来だ)

著者の取材力、そして、ザッカーバーグはじめ米国ネット業界の主要プレイヤーの奥の深さ、思考のレベルに感嘆せずにはいられない。

これはネットテクノロジーに関するドキュメンタリーではない。
現代という時代のある側面を最も深く表現した思想の書である。

大学の授業を聴く、セミナーに出る、人とどうでもいい時間を過ごす体力と時間があるならば取りあえず10時間ほどこの本に没頭し、自分なりに思索する時間を持つことを勧める。

得るものは大きい。

それにしても自分が英語をストレスなく読むことができないのが悔やまれてならない。

少なくともあと5〜6年、英語を理解するにはまだ「勉強」が必要とされるだろうから、時間がある人はとにかく「読む」の能力だけでもストレスなく英文がとれるレベルにチューニングすることは無益ではない。

ただ、10年後には言語が驚くほどの短時間で翻訳される可能性が高いのでやはり「思考力」に全てを集中するのが最も効果のある能力の鍛え方なのだろうな。

それにしても素晴らしい本であった。
これだから読書は止められない。

フェイスブック 若き天才の野望 (5億人をつなぐソーシャルネットワークはこう生まれた)
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