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2003年11月29日
我、戦いの場をみつけたり
韓国のオンライン新聞事情についてのレポートを読む。ハングルが読めないので実際のサイトや記事のクオリティ、雰囲気が確認できないからなんとも言えない。
韓国では全国紙が14紙もあってしのぎを削っているとはこのレポートを読むまで知らなかった。また東亜日報の記者というのはエリートなのだということも知らなかった。以前、妹に紹介された東亜日報の方を思い出した。有楽町で焼き肉をご馳走になり、さらに話が盛り上がりパブで終電まで話し込んだ。いい人だった。その二ヶ月後くらいに彼は帰国してしまったのでその後はあっていないがこんないい人もいるんだな、と思った。
そうかソウルに知り合いがいたじゃないか!
あの人にきいたら韓国に関連することで僕が興味を持っているようなことは何でも知っているに違いない。そうか。すっかり忘れていた。
++++++
我、戦いの場をみつけたり。
汐留のビル群のすぐ隣にある古めのビルの7Fに戦場はあった。
2Fには「ぽすれん」のシステムを採用したレンタルDVD店。月会費を払うと無期限・無制限にDVDが借り放題になる。枚数を借りれば借りるほど一枚あたりのレンタル料金は安くなっていく。
エレベータに乗り込みいざ7Fへ。
扉の向こうにある空間や如何に?
およそ1年ぶりにいく漫画喫茶である。しかも全て個室である。初めての経験だ。新橋には終電を逃したサラリーマン向けにいくつかの漫画喫茶があるが新橋の雰囲気はコワイのでいったことがない。汐留のこのビルもコワイのだが勇気をふりしぼり一歩を踏み出す。
店は少し古びている。田舎の漫画喫茶だってもうちょっと洒落ているのではないだろうか。しかしきたからには後には引けない。店員と話をすると10時過ぎからだと朝までいても1180円だという。激安である!
店は壁ギリギリまで扉付きのパーティションで区切られた個室が中央に30席くらいならんでいる。壁面には本棚が備え付けられ多くはないが少なくもない冊数の漫画が並んでいる。
取りあえず1時間使ってみることにして前から読んでみたかった「20世紀少年」を手に取り我が城へと向かった。扉を開けると一畳もないスペースに足つぼマッサージの店にあるようなゴージャスな椅子とオットマン。机の上にはライトと液晶のモニタ+PC。インターネットとTVも使い放題になっている。
狭苦さに圧倒されたが気を取り直して本に向かう。
ふむふむ、これってどんな話なんだろう。期待しつつ読み始める。
ふむふむ、と読み進む。予想外に物語のテンポが遅い。誰が主人公なのかもわからない。
ノドが渇いていることに気づく。確か、部屋の角に自販機があったはずだ。
狭い狭い廊下を抜けて自販機の前へ。
表示をみると、
「全部無料デス」
そうだ!漫画喫茶では飲み物は全て無料なのだ。
ロイヤルミルクティーを抱えて部屋へと戻る。
続きに没頭する。
慣れてくるとこの狭さが逆に集中力を高めていく。
しかも、古びて時代遅れな作りなのに渋谷のバグースなどよりも遙かに居心地がいい。この感じ、何かに似ている。そうだトイレに似ているのだ。こんなに狭くても完全に個人の空間だとなんとくつろげることか。人間の認識は柔軟だ。
ところで漫画喫茶とは基本的には不動産業である。
レンタルビデオ店がサービス業ではなく超高金利の金融業であるのと似ている。
駐車場のTimesとも似ている。
漫画やPCやネット環境、TV・DVDはエサに過ぎない。空間を時間貸しして収益をあげるのが漫画喫茶のビジネスである。50席あったとして平均稼働率が40%、一時間あたり400円くらいだから一日の売り上げが192000円。24時間365日営業なのでx365で70080000円。場所さえよければ家賃分より稼げる。そこから先は利益だ。
それはさておき四方を壁に囲まれたこの閉所は実に快適で気づけば「20世紀少年」を読了していた。完結していると思っていたのだがまだ物語はスピリッツ本誌でも継続中の模様だ。
これは僕の意見だが漫画の醍醐味は一気読みにある。数年にわたる作者や編集者の労力の結晶を1、2時間という短時間でノンストップに味わう悦びは人の思考のパワーを食べているみたいだ。読んでも読んでも続きがあるという安心感のせいか世界への没入感が深まる。TVシリーズのDVDを一気にみていると似たような感覚になるがスピード感は漫画の方が遙かに上だ。書籍、活字の場合だとこうはいかない。速読をマスターしないかぎり、一冊読むのにも時間がかかる。また1ページあたりの情報のスピード感と濃度が活字と漫画では全く異なる。
漫画は読むのに時間がかからない分、つくるのに時間がかかる。
僕は漫画を読むとき、この歪みを食べているような気持ちになる。
14冊を読み終え時計にPCの画面に目をやると午前1時であった。
そろそろ帰ろう。
あとは明日からの攻めを考えよう。
あの店の漫画を全部読み切るのにどのくらい時間がかかるだろう。
帰り道。
鼻歌まじりで橋をわたった。
なんだか楽しくなってきた。
単純だ。
追伸:昨日からiTuneのラジオでambientのコーナーを流しているのだが実にいい。やかましくないのに躍動的かつ電子音が自然で心地よい。
投稿者 TKM : 2003年11月29日 05:31
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