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2004年01月22日

バラと相転移

国際フォーラムでウキウキ社長の話をおききする。
講演後、紹介されて少しだけ話す。
今度改めて会合することになるのかな。
ウキウキ社長の会社はなんと日本の小中学校の水泳帽子市場の50%のシェアを持つ隠れたNo.1企業である。
なんとなくやぼったい企業のイメージがあったのだが話をきいてみてイメージが変わった。
経営の視点が柔軟かつ合理的でポップなことに驚く。

その後、有楽町でみつけたタイ料理屋でカオマンカイを食べる。
ふと気づくと永井一正さんの個展の会場の前だったのでふらりと入ってみる。
良い。
実に良い。
特にライオンが最高であった。
多数の作品が展示されており、しばらく会場にいた。

それからミスティック・リバーを観て、「天国の本屋」を読み、築地のヴェローチェでSONYのプレイステーション事業についてのドキュメントリポートを読む。書籍は分厚いが近しい業界なのでイメージがわきやすくどんどん読み進める。

創業当時のSCEでプレゼンをした頃を思い出した。あの時の自分が行ったネットワークエンタテイメントについてのプレゼンが何故なかなか受け入れてもらえなかったのか理解できた。開発案件ではなく、即、キャッシュフローを生み出すであろうコンテンツ企画、つまり、早急に完成できインフラを必要とせず、開発費のかからないソフト開発にしか当時のSCEは投資できなかったのだ。
本の中の久多良木さんの言葉「10あったら2くらいまでしか話してはいけない。それ以上話すと理解を通り越して警戒される」である。

それはさておきプレイステーション事業については大体しっていたつもりだったが僕が理解していたのは2割くらいだと知った。あの事業の最重要ポイントはプレイステーションというハードやソフトの出来ではない。(もちろんそれもかなりの重要ポイントではあるのだが)ゲーム業界の構造変化とコンピュータを用いた家庭用エンタテイメントの実現こそが本質であり、それによって根本からゲームビジネスが変わったのだということを初めて知った。奥深い。とともに読んでいてある種のビジョンが浮かんだ。ゲームに限らずあらゆるビジネス、いや、社会的活動といった方がいいか、はある閾値を超えた瞬間から別ものに変わる。

例えるならやっていることが「物づくり」であるとか「ビジネス」である、という視点ではなくなるのだ。
活動自体が別の組織体、個体化するような、人間をセルとした情報生命体の振る舞いのように見えてくる。
極めて生物的な動きに見えて仕方がなかった。構造、あるいはパターンと呼ぶべきなのだろうか。
会社間での違いや組織体の規模の差異はあるが閾値の向こうとこちら側で相転移するような、そうした感覚につつまれた。このイメージは何なのだろう。
とても興味深い。

帰りに有楽町の無印でコップくらいの大きさの鉢にはいったバラを買った。
高さ20cmくらいの小さな赤いバラである。
棚の上においてみる。
花は二つ。
一輪はすでに開いている、もう一つのつぼみは少し開きかけている。

投稿者 TKM : 2004年01月22日 02:36

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