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2004年06月28日

[エッセイ] ジャーナリストと会社ジャーナリズム

■メディアは広報・宣伝なのか?

「権力の内側の人間とのつきあい、権力側の発想でリポートをしてもそれはニュースではない。それは広報・宣伝であり、世論操作の一翼をになうだけのことである。」(ニュースとは何か-不屈のジャーナリズムあとがきより抜粋)

上記の一文を読んでハッとした。
少なからず自分のブログも「広報・宣伝」という要素をはらんでしまっていた、ような気がした。自分がやりたいことは「広報・宣伝」ではない。物事を面白おかしく伝えたいのではない。自分は「考える」を見直したいのだ。

広報・宣伝はそれはそれで大切だと思う。その情報が伝わるべき人に伝わることで幸せになる人もいるかもしれないし、多数に伝えられるべき情報であるなら伝える努力はしなければならない。

僕が感じている違和感は別なところにある。
メディアが広報・宣伝の媒体化しているという感覚があって、どんな雑誌も単に広告スペースの開発が主体になってしまっているように感じるのだ。だから記事は「媚びる」ものが多くなる。GQという雑誌を時々立ち読みする。写真が多く、レイアウトも綺麗だ。しかし買って読もうという気にはならない。全てのページが広告と大差のない記事のように見えてしまうからである。
物事を「~だったりして」というモードでとらえることでスマートさを演出しようとする立ち位置に違和感を覚えるのである。

「おい、このテーマとりあげておいてそっちに逃げるなよ」

と言いたくなる。(今月号には以前自分もレポートに書いた千日回峰についての記事があるのだがGQでのあの扱われ方には納得がいかない)

雑誌が好きでありとあらゆる雑誌に目を通す。
目を通しての感想だが読むべき雑誌は本当に少ない。
記事の99%が宣伝・広告にみえてくる。
それでも目を通すのは雑誌という形式に魅力を感じているのと一誌ではなく多数に目を通しているうちに大きな風潮、流れを感じる時があるからである。

■会社ジャーナリズムという病
雑誌・メディアの宣伝・広告モードが強い理由について、鳥越俊太郎さんが著書「ニュースの職人」の中で下記のように説明している。少し長いが引用したい。

「ジャーナリズムという言葉が日本の社会に定着しない、その構造的な理由は、実は日本の雇用システムと深く関わっているというのが私の持論だ。正確に指摘すると、日本の終身雇用制度そのものが、ジャーナリズムの発展を妨げている。ご存じの通り、就業人口の七割を超す人々が学校を卒業して会社に入社し、今は崩壊し始めているとはいえ、終身雇用と年功序列の世界で生きていく。実はそうした社会に新聞社、テレビ局、出版社などマスコミ各社も存在する。私はこうした状況を“会社ジャーナリズム”と呼んでいる。
私はよく“ビジネスマン”と“ジャーナリスト”の違いは何かについて考えることがある。言うまでもなく“ビジネスマン”は、真実よりも利益をより大事にせざるを得ない。いっぽう“ジャーナリスト”にとっては利益よりも真実の追究が優先する。ところが日本のマスコミにおける“会社ジャーナリズム”の特徴は「真実の追究」と「会社の利益」との関係があいまいなのだ。」

先日、紹介した「判断力」の中で著者の奥村氏もこの問題について言及していた。手元に原本がないので概略を記すと奥村氏のもとにはたくさんの新聞記者が取材にくる。さすがに記者達はみんな優秀で発言を綺麗に記事にまとめる。しかしちょっとまて、記事にまとめはするが彼らの見方・考え方はどこに消えたのだ?

彼らが自分の物の見方を書けないのは彼らが新聞記者ではなく会社員としての立場を優先してしまっているからではないか。それはおかしいんじゃないか。だったら新聞社は本社に300人くらいを残し、記者の全てをフリーランス契約とし記名記事にするという大きな変革が必要ではないか。

というような話だった。

僕は新聞を読むのも好きで全ての新聞記事がダメだとは思っていない。良い記事も多い。僕の考える良い記事とは書き手の立ち位置、ハート、考え方が伝わってくる記事である。ダメな記事とは「逃げ」が基調となった傍観者の立場をとる記事である。

もっといい記事を増やすには奥村氏の指摘するようにシステムそのものに手を加える必要があるのも事実だと思う。

「物書きが給料をもらって書くようになったらお終いだ」と僕は言い続けてきた。
ジャーナリストとはインサイダーではない。
アウトサイダーであらねばならない。

メディアに関わるものとしてこれだけは忘れないようにしたい。

投稿者 TKM : 2004年06月28日 22:27

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コメント

終生、傾き通してください!

投稿者 鬼辰 : 2004年06月29日 01:49

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