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2004年11月13日

『華氏911』マイケル・ムーア 冒頭のこれもアメリカ議会なのか?僕が小学校の頃の生徒会長選挙に似ていた

華氏 911 コレクターズ・エディション

マイケル・ムーア監督「華氏911」を観た。
銀座でもやっていたのでいこうと思っていたが何となく先送りにしてしまっていた。
そうこうしているうちにはやくもDVD化され、先日レンタルビデオ店の棚に並んでいるのを見つけた。

熱気溢れる選挙の結果発表の場面から映画ははじまる。
画面にはアル・ゴアの姿。
映像からはみなぎる自信が伝わってくる。

ところが、中継の途中で様子が変わる。
FOXNewsの中継でブッシュ当選確実の報が発表されたのである。
以後、他のTV局もブッシュ当選を発表しはじめる。
疑惑のフロリダ開票シーンのライブ映像をはじめてみた。

公開当時、「華氏911」は過度に偏った編集であるとの議論もあったがそれにしてもこの映像をみせられると「こんないい加減な選挙がありなのか?」という気持ちになってしまう。あの手この手でフロリダの票を操作しているように見える。

上下両議会の大統領選の結果を承認する議会では選挙結果の再調査の必要性を下院議員達が訴えるが異議の申し立てには最低でも上院議員1人の同意が必要なそうで、誰1人再調査に同意する人もなく、感情に訴えた叫びがむなしく響くのであった。
この様子があまりにもドラマ的な感じでハリウッドの映画をみているようだった。

以後、週刊現代の特集ページばりのスキャンダラスな演出でアラブの王族とブッシュ家との蜜月な関係が語られていく。それにしてもアラブのオイルマネーが米国経済全体の7~8%を占めているとは知らなかった。

映画では9.11の直後、米国の航空交通網が停止し、人々が空港で足止めされる中をヴィン・ラディン家の人々だけが悠々と国外に脱出できた背景にはこうした理由があるとしていた。

とりあげたくなるテーマがたくさんあったのだが僕にとって一番インパクトが強かったのは冒頭の選挙を巡る茶番じみた現実であった。

映画中盤以降の戦争の風景や悲惨さ、不毛さを映像と音声で目の当たりにすると楽しいわけはないし、こんなことするもんじゃない、と重い気持ちになる。

しかし映像をみた後で、僕は食事をし、シャワーを浴び、眠ってから起きて、翌日は自転車にも乗っている。こういうことが何なのか自分にはよくわかっていない。ネットの記事、ブログなどでも戦争や国のことや政治のことを扱うとすぐに匿名の書き込みが来る。そのほとんどは「あんたは間違ってる」とか「所詮、○○だな」とか批判とも否定とも愚痴ともつかない何をいいたいのかがわからないコメント群であったりする。
それをみてまた似たようなモードの意見群が集まってきては離散していく。しょうじき、それが何なのか自分にはよくわからない。何をしたいのかもわからない。ある人が何かを考えた、自分もそれに対して何かをいいたくなった、それはいい。議論はいいと思うのだが。
しばらくすると口汚い罵りのようなものや馬鹿にしたものいいが多くなってしまう。

理解とかコミュニケーションという言葉はそれほどダメで馬鹿にされるようなことなのだろうか。斜に構えたものいいも嫌いではないし、そこから議論が深まる場合もある。面と向かって話していれば違うのだろうけれどネットだとそうならない場合が多いように見える。言われた方もいう方も何ら得ることがないような言葉のやりとり。そういうのも時々は面白い。でも、しばらく見ていると言い回しで遊んでいるように感じられ疲れてくる。

++++++

話を冒頭の選挙のシーンに戻そう。
やはりあのシーンは印象的であった。
一国の首相、しかもアメリカという大国の大統領を決める選挙が綱渡りのようなあやうさと隣り合って行われていた。偏った編集のドキュメンタリー映画の映像であるということを念頭においてみていたのだがあの有様はあまりにも危うすぎる。僕は日本という国にいてたまたまそれがずっとあったからこれは無くならないように思っているけれど、国もそもそもは人が集まってやってるわけで、それがどうなるかなどわからない。

自分がどういう立場をとる人間で何を考えているからどうこう、ということではなく、さっきふーと全体を思い返してみたら、やはりあのシーンが気になった。そして、いまもその感じは続いている。

華氏 911 コレクターズ・エディション

おすすめ平均
賛否はいろいろあるようですが…
ムーア監督の勇気に拍手を贈ります
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投稿者 TKM : 2004年11月13日 20:37

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コメント

僕もこの週末は「華氏911」を見ました。
ゲオで借りて見たんだけど、分類は「コメディ」となっていました。
知識の乏しい僕には、どこのシーンがドラマで、どこのシーンがコメディなのかよくわかんなかったけど、どうでした?
感想としては、「正義と利益には深い関係があるんだなー」って感じでした。
やっぱ 社会ってのは「勝てば官軍」って感じなのかなー。

投稿者 きっぺい : 2004年11月15日 08:54

痛烈な批判と皮肉であってコメディではないよね。映像のトーンとしてはコメディっぽくつくっている部分もあるけど。

>感想としては、「正義と利益には深い関係があるんだなー」って感じでした。

丁度、上記のこの感想と関連するテキストを昨夜電車の中で読んでいた「繁栄と衰退と」(岡崎久彦著)にみつけました。P.22L4でもともとはバーカー著「オランダの興亡」の一文です。引用すると

「オランダの政治家達は、国内政治では常に詐術や暴力を使っていたにもかかわらず国際政治や戦争の問題についてはセンチメンタルな観点にたってものを考えた。戦争の恐怖については文学的な調子で書き、かつ語っていた。そして、戦争というものは、かっかが何らかの形で冨を獲得するビジネスの一つであり、損益勘定もある程度までは計算できるビジネスであることを閑却していた」

一刺しされた気分でした。

投稿者 かがや : 2004年11月17日 11:04

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