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2004年12月22日
ファームウェアと意思決定 ~本とファーストフードの類似~
iMacを使ってDVDの作成をしていたのだがディスクを焼く段階でエラーが続出した。
2年前、夏にアメリカにいってからすぐの頃。
現在使っているiMacのスーパードライブをリージョンフリー化するためファームウェアを書き換えた。その為、Appleの提供するソフトウェアアップデートではスーパードライブのファームウェアのアップデートを行うことができなくなっていた。
2倍速以上の書き込み速度に対応したディスクを使用するとディスクとドライブに異常が発生するという問題があるらしいことは知っていた。しかし、再生するぶんには問題はない。またDVDを作成することもなかったのでそのままにしておいた。
いい加減、沖縄の映像データをDVDに落としておかなければならない、と思い立って日曜の夜から作業を開始した。開始して早々に問題に直面した。ディスクが認識されないのである。一枚50円位のノーブランドディスクを使用したことが原因ではないかと思って何枚かディスクを交換すると一枚が認識されたので焼き付けを開始した。
Appleのソフトは実によくできている。iMovieとiDVDの連携は素晴らしいの一言につきる。ただし、最低でもG5のCPUが必要だと感じた。iMovieの方は使えるがiDVDを使用するとG4/800MHzでは使い物にならない。ボタンを押してから数秒後に反応する。まるでLCⅢだ。68030ナンバーのCPUの時代である。漢字トークの頃の使用感に苛立ちを覚えた。
どうにか焼き付けを開始したがiDVD3からは方式がかわったようで作成時にエンコーディングおこなわれる。そのまた異様に時間がかかる。60分の映像を焼き付けるのに3~4時間くらいかかっているのではないだろうか。
どうにか作成できたDVDをWindowsマシンで確認する。
問題なし。
メニューもしっかり機能する。
インターフェイスの出来は素晴らしい。
続いて第2編も編集。焼き付けと続ける。
がここで問題が起こった。
ディスクを認識しなくなってしまったのである。
ファームウェアのせいだろうなとは思ったが先ほどは4倍速対応の物も使用できていたわけだからディスクに問題があるのだろうと思って入れ替えたがダメであった。
ならば国産メーカのものなら問題ないだろう。コンビニでソニーのディスクを買ってきた。割高だが仕方ない。今晩中にあと二編分つくっておきたかった。
部屋に戻ってディスクをセットするとあっさりと読み込んだ。ソニーのディスクは8倍速まで対応していた。iMacのドライブは1倍速なので全く意味がない。これであと3時間くらいはやることがない。仕方ないので眠ることにした。
明けて今日。編集再開。仕事やディスクの仕入れ、「マイ・ボディーガード」のチェックやらもろもろやっていたらまた夜になった。
「さてと続き焼くかな」
iMacにソニーのディスクを差し込みiDVDの「Burn」ボタンを押す。
マシンはうなりをあげる。しかし画面の文字は…
「このディスクはこのマシンではつかえません。エラーが起きました」
なんと昨日と同じ問題が再発である。気を取り直して仕入れてきたディスクに入れ替えてまた試す。今日はラディウスのディスクだ。ところが今度はディスクがスーパードライブに入ったままでてこない。
「喰われた」
そう思った。何をやっても出てこない。仕方なく再起動などを続け、ようやく取り出す。以後、数回、別なディスクで試すがいずれも同じ症状。これはいよいよファームウェアを取り替えなければならない。あきらめてネットで検索をはじめた。アップグレードによって4倍速用のメディアも対応するようになる。
日本語のページにはあまり有益な情報がみあたらなかった。型番のDVR-104を入れてApple、firmwareなどの単語とともにGoogleで検索を試みる。
ドライブの発売元であるパイオニアエレクトロニクスのページが見つかった。
他にもファームウェアがダウンロードできるサイトがいくつかあったのでファームウェアをダウンロードしてダブルクリックをした。
するとクラシック環境(OS9の事)がたちあがろうとする。
ファームウェア用のアプリケーションがOS9用なのだろう。
OSX版はみあたらない。
そういえば数年前に自分でファームウェアを書き換えた時もOS9環境を使った。
とりあえずやらなければならないな。
OSのディスクを探してきてインストールをはじめた。
自分のマシンであの画面をみたのは何年ぶりだろう。
記憶を頼りにインストールを試みるが全くやり方の検討がつかない。
ツールをダブルクリックしてもウィンドウが開くだけで何も起こらない。
やばい。
はまったかもしれない。
隣にあるWindowsマシンでブラウザを開き、海外のパイオニアのサイトを読み進める。
どうにかインストールガイドをみつけた。
読んでみるとDVR-104ドライブのファームウェアをアップグレードするにはOS9環境が必要とのことだった。方法は…
1.OS9で起動する
2.ファームウェアソフトを起動する
3.ウィンドウが開くのでそこにファームウェアファイルを放り込む
というものだった。そういえば似たようなことをやった記憶があった。
指示通りにやっていくとファームウェアが更新されたことを知らせる電子音がなった。ちなみにファームウェアの更新を失敗するとドライブはもう使えない。なので以前はこわごわであった。今回はかなりゆとりがあった。急ぎの仕事があるとこうはいかないので幸いであった。
更新が終了してからOSXで再起動させる。おそるおそる、ディスクを入れるとあっさり認識するようになった。はやくからやっておけばよかった。iDVDを立ち上げ「Burn」ボタンを押す。達成感はあったのだけれど奇跡感の方が強かった。よくあのタイミングでパイオニアのサイトをみつけてファームウェアを更新できたものだ。ディスクを何度も入れ替えていた時、一瞬あきらめたのだ。このマシンのこのディスクで焼くのはもうないんだろうな。そう思った。
結構、奮闘した。そのかいがあっていまディスクはせっせと書き込み作業を開始している。
こんな長々と書いたけれど僕が話したいのはディスクやファームウェアのことについてではない。あの一瞬、もうあきらめようと思った。英文のサイトをいくつかみていたら解決法がみつからないような気がしてきた。Windows版の解説はあったけれどMacでの解決法はみあたらない。iMacのドライブはあきらめて外付けでもなんでも使えるDVD-Rドライブを導入しよう。そう考えた。
ドライブの復活はほんとに微妙なラインだった。
やればできるし、やらなくても悪くない。
細いタイトロープの真ん中であった。
違いはある種の無風状態といったらいいのだろうか。どうせ替えなければならないなら好き放題やってもいいし、まあ最悪壊れてもなんとかなるだろう。いや本当にどちらでもよかったのだ。
それがやってみることを選択した理由だ。
「迷ったらやってみる」みたいな考え方・意思決定をよしとする考え方もある。
しかし自分のはその対極であった。
これはわりと大切だ。
そんな熱い想いはなかったのだ。
ともかくじゃあやってみよう、いや正しくは「やってみっかまーまー面倒だけれど」そのていどのボーっとした考えしかなかった。
それで面倒ながらパイオニアの英語のサイトで探しはじめたた。
するとあっさりと目指す答えの手がかりが見つかった。
導入方法の英文PDFもみつかった。時代がズレているためわかりにくかったが読んでいくとやり方もわかった。前述したように驚くほど簡単であった。
そしてドライブは復活しいまもゴーゴーうなっている。
自分は気になって仕方がないのだ。
あの一瞬を逆側に向かっていた自分もいたはずだ。
もし別な方向に意思決定していたならば、いま自分は何をしていたのだろう。
無駄とも違うし、遠回りとも違う。
なくてもよかった出来事であるけれどさっきまでなかった回路が頭の中にできた快感がある。
この過程について最近考えていたことと似ているように感じたのでメモしておきたい。
読書は自分にとって最高の楽しみのひとつである。
本を読んでいて最近気づいたことがある。
スラスラ読める、読んだ、本は何も生み出さない。
こちらが介入しなければ読み進めることができない本。
簡単か難しいかということではなく、読んでいるときにいままでの自分の人生のデータベースがフル稼働する感じがしている時の読書は感動とも悦びとも異なる印象・質感を与える。
読むときに頭の奥が痒くなる感じがない本は読む必要はない。
ファーストフード的な本といったらいいだろうか。
ボリュームの有無は関係ない。
はやくて軽い本は栄養バランスがズレているときがある。
読みやすいかもしれないし、売れるかもしれない。
しかし、価値もそれなりでしかない。
食も本も似ているのではないか。
マンガでも哲学書でも小説でも本の内容はあまり問題ではない。
違いはこちらからの介入度合いだ。力を秘めたテキストや物語を読むとこちらも疲労する。自ら働きかけない限り本はその真の姿を明かにはしない。20年以上も本を読み続けてきてようやくわかった。触れるべきコンテンツを「それ」とか「これ」などと絶対的なものいいで示すことはできない。
けれど自分がどんな本を読んだときに価値を発見しているのかはわかる。
接する自分が介入していくことができる。
新しい視点をつくりだすという作業が必須になる。
ポイントはそこだ。
また、その他のコンテンツにも同じ視点は有効だろう。
そこからみえてくるカタチもあるはずだし。
投稿者 TKM : 2004年12月22日 05:19
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