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2005年01月03日
地下室の攻防
ドラマな夢をみた。
男は地下室に降りていく。
彼は扉を閉めようとする。
重い扉である。
扉を開き50cmくらいの黒いケースを中に押し込む。
自らも入ろうとする。
「あなたを信用できない。ガムを貸して鍵を壊すわ」
「何をいっている。ここを閉めなければ殺られるぞ」
「はやくガムを。でなければ通せない」
男の娘は頑なであった。二人の視線が対立した。男が折れた。娘は鍵へガムを詰めた。これで世界と向こう側を隔てる扉は開かれた。 鍵はもはや機能しない。二人が扉の向こうに入ったその刹那、数人が階段を駆け下りてくる。
「奴らはこちら側にくるぞ」
「わかってる」
鍵を破壊したのは間違いだったと気づいた。
今回は本物であった。
男は実体であった。
部屋に入り扉を閉める。鍵はかかっていない。だが見た目にはわからない。彼女は扉を閉じた。 急いで2mくらい向こうにおいてあった木の箱を扉まで押していった。
「どうした?開かないのか?」
扉の向こうから彼女を呼ぶ声がする。
「鍵があるの。だから開かない」
そう答えてから壁際においてある冷蔵庫に気づいた。
「あれも使う」
「わかった」
二人は冷蔵庫を扉まで押していった。
「長くはもたない」
「わかってる…」
鍵の存在が重くのしかかる。何故あの場面で鍵を破壊したいと思ったのか。何故、封印をためらったのか。考えるが答えはでない。 時間は迫る。
「朝になる。時間はない」
男は船の準備をはじめた。床におかれた布を払うと風のような物質でできた船が二艘あらわれた。全長は4m。 見た目は時代劇にでてくる川船ににている。しかし船を構成する木片の厚みは5mmに満たない。風の船である。
船体に黒いケースやその他のボックスを乗せていく。
外界へとつづく開き戸をあける。眼前には道路とその向こうに水深の深い水田が広がっている。船出には道路を抜け、 水田へと船を押し出す必要がある。
「どうしてもいきたい」
彼女は男にいった。
「わかった。お前の命を預けろ」
男はそういって開きかけていた扉の方へ向かった。彼女には男の言葉の意味がわかった。振り返らなかった。 外界へとつながる扉の向こうで妹が待っていた。
「はやく」
妹に声をかけ二人は船を押し出した。驚くほど軽い。10kgもない。振り返ると扉が開き始めていた。妹が父親の不在に気づいた。
「どうして?」
「わかってる。間違いだった。でもいかなきゃならない」
彼女は悔しさに顔をゆがめた。それから二人は船を押し出した。船は坂をのぼり道路を越え、水田へとこぎ出した。 水田の真ん中あたりを小川がはしっている。そこまでいけばいい。それだけを考えた。
鍵の事は考えなかった。
扉の事も考えなかった。
明け方が近づいていた。
投稿者 TKM : 2005年01月03日 16:36
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