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2005年03月21日

エリア・カザンの「紳士協定」素晴らしすぎだ!

この時代の映画って奇跡ではなかろうか。
全てのバランスが最高レベルである。
このように物語というものが描けるものなのか。

驚き、ただ驚きで、ラストシーンを見終えた時に口をついてでた言葉は

「この映画、素晴らしすぎだ」

であった。それほどまでに僕はこの映画を絶賛する。
波止場も奇跡のようなバランスだが「紳士協定」…これは…。

あのラストシーンは素晴らしすぎる。
現代の映画とは根本的な部分で何かが違うように感じる。

時代の空気といってしまえばそれまでなのだが、セリフ・バランス、それら全てに現代とは異なるモードがある。おそらく同じセリフ、 同じカット、同じ時間、でリニューアルしてもああはならない。

パッケージとしての作品には物語とは異なる情報が折りたたまれている。

この感じについて自分の言葉でざっと書き留めていく。

・時間が織り込まれている
・時代がそこに立ち上がる
・劇世界なのに言葉が滑っていない
・言葉のバランスが効いている
・人間が良き時代の人間で構成されている
・実際にそうした人々があったように思う
・世界が素直である
・現実に素直であったように思う

こうした感覚が物語の後ろに別な地と図、ゲシュタルト感をつくりだす。
この感じはおそらくあと数十分しか続かないだろうけれど素通りできる感覚ではない。

先日「砂と霧の家」という映画を観た。
ベン・キングスレー演じるイランの元大佐がイスラムの教えを話すシーンがある。

「イスラムでは迷い込んだ鳥は神の使いと言われている。彼女は傷ついた鳥だ。 私たちは彼女を助けなければならない」

このセリフを境に主人公(ジェニファー・コネリー)に対しての彼の意識の方向が変わる。 揺らぎなく、圧倒的な安定感を持ちながら、開いていく感じである。このシーンに強く惹きつけられたし、まだあの感覚がどこかに残っている。 あの瞬間の意識の方向性の変化としなやかで穏やかな強さ、あれは何なのだろう。あの感じ、「クオリア」は単語にできない。それが悔しい。

※「ボビー・フィッシャーを探して」のベン・キングスレーの感じももの凄くよかった。 この映画でも一番印象的だったのは決勝を前にして、最後の最後で彼の心が開く場面だ。あのシーンはよかった。

投稿者 TKM : 2005年03月21日 02:50

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