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2005年03月25日
啓蒙系の本ってけっこう麻薬系なんですね
ブログに限らず、書店にいくと啓蒙系の本が多い。
平積みになっていたり、ベストセラー紹介の書棚にもたくさん並んでいる。
曰く、
「素敵になれる」
「しわあせになれる」
「成功できる」
「天才になれる」
中には
「年収○○○○万円になれる」
といった具体的な数値まで書いてある本もある。
総じて
「○○になれる」
「○○のつくり方」
「○○の技術」
とマニュアルスタイルが「ウケている」。 そんなにはやっているならばと読み始めてみるとこれらの本は結構おもしろくて
「ほほー」
とか
「なるほどー」
と感心してしまい、
「では次も」
と気づけば本屋で4冊くらい座り読み(銀座Book1stには椅子がおいてあって読めるようになっているんです。 新刊の図書館状態で僕にとってはパラダイスだ)していた。
でもこれらの本。
「うわー、オモシレー」という感じとはどこか違うような。
なんというか読書中に脳の中に麻薬的な
「ここちよさ」
をつくってしまう。どの本でもだいたいやり方は似ているだけれど
「現実世界はこうですよね。どんなにがんばってもうまくいく時もあるしいかない時もある。」
と現実世界を単純化したモデルに置き換え、いろいろな人にあてはまるような曖昧な言い方で読者の不満やら不安を刺激する。 それから
「それはこういう理由だからなんです」
と解説をしていく。そして最後は
「さあこれで新しい扉がひらけました」
と大団円のエピローグ。
書き出してみるといたってオーソドックスな構造なのだがこの単純化のモデルづくりと解法を導き出す話術がやけに絶妙で芸術的にうまいのである。
(※ずっと大円団かとおもってたんですが正しいのは大団円だったんですよね自分の日本語もかなりやばい。
小学生の頃もバントラインをバランライトと脳内で変換していたり。自分語が結構あるかもしれない)
いや読んでみるとわかるけど自分ワールドの語り口で現実世界をバッサバッサと切り捨てていく様はそれはそれは
「気持ちよい」
時間です。「実際、そうだよなー」とけっこう納得させられたりもする。でも、この効果はそう長くは続かない。よくて5時間くらい、 悪ければ10分程度で消えてしまう。時限性で切れてしまうあたり、やっぱり麻薬的だ。なもんだから、
「やばいやばい、切れた。では次ぎも」
と読んでしまうわけだ。巧妙だなーと感心してしまう。問題は「単純化」のプロセスにある。 ほとんどの本は現実世界に通底する何らかのパターンを体験的に感じ取って書かれていると思う。そういう意味では著者群は感覚が鋭いのだろう。 けれど著作の多くは極端な「切り捨て」による作為的な「シングルリアリティ」 の創出をおこなっていて、いずれの場合もある種の「ユートピア」 的世界での仮想である。
その世界には誤差がない。
だから「キモチイイ」。
というわけで著作という虚構が過去の一元的世界へ向かう一方で科学の最先端はより「フィクションだろこれ?!」 みたいな世界を志向する。閑があったら「Nature」とかの論文を読んでみてもらいたい。 先端では何をやってるのか知るとけっこう口があんぐりと開きっぱなしになってしまう。( コレとか量子をクラスター単位で扱う研究だそうだ)
世界でもトップの知性が本気で思考してるのは多世界とか多宇宙の研究だったりするんだから小説が売れないのもよくわかる。 (逆に売れる小説が描くのは極度に単純化された世界であったりするのは相関があって面白いけど)
「パラレルリアリティ」 な現実世界では単純化で切り捨てた部分が分節後にウネウネと動きまわり独自に自己組織化し、 群体レベルでインテリジェントな振る舞いをしてしまったりする。そしてバイオハザード並みに強烈な生命力で蘇ってくる。
フィクション、いや、コンテンツは積極的にこういうのを取り込まないとすり減っていってなくなってしまう。 繰り返しになるけれど人にとって最大、最高のコンテンツは「人」だと思うのだよね、僕は。
投稿者 TKM : 2005年03月25日 14:51
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コメント
結局、人は自分に理解できる世界しか受け入れないのでしょうね。
先月東京へ行ったとき某Gブックスという啓発本をバシバシ出版している取締役編集長と会ったのですが、今売れる本がわかるのがプロの編集者である、というようなことを言ってました。
出版社はボランティア組織でもなければ、文化啓蒙活動をしているNPOでもないので、こうした人材がいないところは潰れるのでしょう。
出版を細く長く継続できるシステムを研究中でございます。
投稿者 MAO : 2005年03月26日 13:00



















































































