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2005年10月06日
日本というか、時間というか、固いなあ、というか、縛りが強いなあ、とふと思う 
どこもかしこも「形」の提案や事例が氾濫し、それがアンカーになって人の意識を縛っているなあと思った。
しかし、それに引きずり込まれずにやり過ごすのはかなり難しいだろう。
クライトンの最新作「恐怖の存在」はこれまでのクライトン作品の中で最も凡庸な作品だった。
温暖化問題について正面から取り組んだ作品なのだ、とは思う。レポートとしては面白いが小説としてはハリウッド映画と大差ない。
ストーリーテリングの巧さで読ませるけれど、濃厚な時間を過ごしたという満足感はなかった。
一箇所だけ、カンニバリズムのシーンの描写は印象深く、ホラー小説よりも後味が悪かった。
あれを読むと資本主義経済システムの方がマシだと思えてくる。
僕は本屋を眺めるのが好きで、しょっちゅう本屋にいく。
ここ2~3年の傾向だと思うのだが「成功」に関する本がやたらと目に付く。
不思議なことに、内容がほとんどないにもかかわらずそれらの本はかなり面白い。
しかも内容は薄い方が売れる。
なんというか赤川次郎、シドニイ・シェルダン状態である。(赤川次郎がダメとは言わないが)
モードだけのビジネス書が何万部も何十万部も売れている。
「学問のススメ」があれだけ売れたのだから昔から煽り系の本は人気があるのだろう。
にしてもだ、妙な違和感は消えない。
面白いし、なるほどなあ、と思わせるし、そうだそうだ、と納得もする。
反面、くだらないなあとも思う。
ダイナミズムが消え、全部テクニックな印象を受けてしまう。
ひとことでいうと、「何もつくってないよなあ」、と。
面白さは提供しているが、これって何かつくってるんだろうか、と思ってしまう。
勝ち組、負け組、ニューエコノミーへの移行、言葉はもっともらしいのだが、記号化してるというか、 そう言うからそうなってるように見えるだけ、という気もする。いまはこうなっているからこうしたほうがいい、 という議論や問題提起や煽りなわけだが。
しかし、その果てはどこにいくのだろう?
そこがよくわからない、享受し、勝ち抜け、階層を駆け上がる。わかりやすい。
かといって「You can't take it with you」みたいなストーリー・オチにはならない。(いや、この映画、
いま観るとショックを受ける。モノクロのこの時代(1938年)から階級やら成功やらに対する問題提起と議論の中身はあまり変わってない。
映画では問題を単純化しすぎで個人は環境に応じて振る舞いとモードを変えるから実際にはさらに不思議な軌跡を描く)
「成功」に関して言うと、構造からいって、全員がそこにはいけないようにできている。
それは個人の努力とか能力差というレベルの話ではない。
どのストリームに乗っているかに依存する部分が大きい。
この傾向は更に加速されていく。
生まれ落ちた段階である程度は未来が決定される。
考え方や思考はかなりの部分、環境に依存する。
それを切り替える為に必要とされる労力はどの位置からスタートするかで大きく異なり、階層間(認識できるレベルの)
の移動は容易ではなくなる。
物理的な問題というよりも個々人のミームによってイメージ能力・コミュニケーション能力(有するチャンネルを含め)
に越えがたい差異が生じてしまう。(士農工商の時代よりもマシかな、とおも思ったが、
下克上なんてカオスもあったわけで一概にコレはこうとは言えない)
こうした問題の場合、感情的に是非を問いがちだが、そういう議論にはあまり意味はない。
問題の本質は別なところにある。
増えすぎた人口を処理しきれなくなっている、とか。
あるいは行き場のない人々が外に向かう、とか。
健全に淘汰が機能している、とか。
拡大に向かう次のダイナミズムへの健全な道筋である、とか。
どれでもない、とか。
いまの時点ではそれぞれがパラレルに存在している。
いろいろ、いいことも悪いこともある。
全般的にいってメディアが狭い感じがしてて、それらがひっきりなしに提示する型の強迫観念が信じられないくらいに強い。
プラスもマイナスもあるし、受け取り方次第ではあるが。
稀な環境だと思う。
メディアという言葉で議論をはじめると、マスの影響力云々という方向に向かいがちだ。曰く、メディアが腐っているとか、 メディアはゴミだ、とか。こうした単純化は言葉として発する分には気持ちいいのだが、本質とは全くかけ離れている。
「群としてのメディア」
我々が認識すべきはこちらの方だ。
マスとしてのメディア云々ではなく、情報が群として振る舞うときのダイナミズムに注意を払う必要がある。
問題の本質はここにある。
投稿者 TKM : 2005年10月06日 07:32
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